【クリニック監修】避妊だけじゃない!ピルを服用するメリットとは?【生理痛や肌荒れにも◎】
「ピル」と聞くと、どんなイメージがありますか?
「ピル」=「避妊薬」というイメージを持っている方は多いと思います。でも実は、生理中の苦痛を和らげたり、病気の予防や肌荒れ改善も期待できると言われているんです。
今回はピルの中でも「低用量ピル」についてのお話をします。低用量ピルを使うメリットとデメリット、その他にもぜひ知っておきたい正しい知識をお伝えします。
目次
低用量ピルとは?
ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つの女性ホルモンが含まれた錠剤です。「経口避妊薬」として知られています。
ピルを服用すると、体のホルモンバランスが妊娠している状態に近くなります。そのため、排卵をストップさせることができるので、避妊の効果があると言われているのです。
でも「そろそろ子どもがほしいな」と思うようになったら、低用量ピルの服用をやめれば、そのすぐ後の排卵から妊娠ができるようになります。もちろん、胎児への影響はありません。
ピルは「妊娠したいときに妊娠する方法」と考えることもできます。避妊法にはいろいろありますが、すぐに妊娠できるように体を戻すことを考えると、ピルがおすすめだそうです。
実は、低用量ピルには避妊以外にも多くのメリットがあると言われています。どんなメリットがあるのでしょうか?
低用量ピルを服用すると得られる3つのメリット
ここからは、避妊以外に期待できると言われている効果をお伝えします。
生理中のさまざまな悩みが軽くなる
まずは、生理痛を和らげることができるとされています。仕事や家事をしたくても、いつものように過ごすことが難しい方にはとても嬉しい効果ですよね。
また、生理不順に悩んでいる方なら、周期を安定させることが期待できます。また、大切な予定に合わせて生理の時期をコントロールすることも可能なんです。
他には、生理中の貧血でいつも辛い思いをされている方や、子宮内膜症の予防と改善を考えている方にも効果が期待できると言われています。
ホルモンバランスを整える
女性ホルモンの急な変動が原因と考えられている、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)で、体や心の不調に悩む方にもオススメです。
実は、低用量ピルには、男性ホルモンを抑制するタイプのものもあり、ニキビなどの肌荒れの改善が期待できるとされています。生理中のニキビで悩んでいる方は、一度相談してみるのも良いと思いますよ。
その他に、更年期症状の予防にも期待できるとも言われています。
卵巣など、女性特有の病気を予防する
女性が妊娠するために、排卵はとても大切な働きです。しかし、むだな排卵は卵巣と子宮を疲れさせてしまい、老化を早めたり細胞を傷つけたりすると考えられています。
そこで、低用量ピルによって排卵を抑えると、卵巣がんの予防や卵巣のう腫の減少など、卵巣に関わる病気に効果があるそうです。
また、長期的に服用することで、ニキビや肌荒れ、卵巣がん、子宮体がんの予防などにも効果が期待できるのだとか。将来の自分の体のために、低用量ピルを服用する方がいるのも納得ですね。
低用量ピルを服用したときの副作用は?
体に対してとてもメリットがあるピルですが、デメリットが全くないわけではありません。
副作用が起こることを知っておきましょう。
頭痛やめまい、吐き気を感じる
ピルを服用してから体が慣れるまでは頭痛やめまい、吐き気、むくみ、胸の張りなど、妊娠初期に似た症状が起こることがあるそうです。また、生理以外に出血がある「不正出血」が起こることがあります。
これは一時的なもので、2〜3週間ほどしてホルモンのバランスが安定すると不快な症状は消えるとされています。ただし、乳房の張りは、3ヶ月から6ヶ月続くこともあるそうです。
あまりにも副作用が強い場合は、医師に相談しましょう。ピルの種類を変えるなど、あなたにあった対処方法を提案してくれます。
血栓症のリスクがある
低用量ピルを使用することで必ず知っておきたいのは、血栓症のリスクがあることです。
血栓症とは血液が固まり、血管をふさいでしまう症状です。これが原因で血液の循環が悪くなり、臓器にさまざまな障害を引き起こしてしまうのです。
ピルを服用していない女性が血栓症を発症するリスクは、年間で1万人に1人と言われているそうですが、ピルを服用している女性の場合は、1万人に3人から9人となるそうです。割合としてはかなり低いのですが、服用してから3ヶ月までは血栓症が発症しやすいと言われているので注意が必要です。
激しい頭痛、吐き気、押しつぶされるような胸の痛み、ふくらはぎの痛みやむくみ、手足のしびれなどが起きた場合は、すぐに病院で診察を受けましょう。
こんな方はピルを服用できないかもしれない!?
ここまでの話を読んで、「ピル、使ってみようかな」と思った方がいらっしゃるかもしれません。
でも、誰でもピルを処方してもらえるわけではありません……。
ピルは女性ホルモンが主成分の薬なので、女性ホルモンに由来する病気にかかっている方、もしくは過去にかかったことがある方は服用することができません。
また、次に該当する方も、病院に行ってもピルを処方されない可能性が高いかもしれません。
- 血圧が高いと言われたことがある方
- 40歳以上の方
- 1日にタバコを5本以上吸う方
- 低用量ピル・女性ホルモン剤でアレルギーを経験したことがある方
- 乳がん・子宮がん、その他のがんと診断された事はある方
- 激しい頭痛や片頭痛があったり、目がかすむことがある方
- 血栓症にかかったことのある家族がいらっしゃる方
- BMIが30以上の方
- 現在、妊娠している方、もしくはその可能性がある方
- 出産後6週間以内、もしくは授乳中の方
低用量ピルは必ず病院で購入を
ピルを安く購入するために、個人輸入やフリマアプリを利用する方がいるようですが、それはとても危険です。個人輸入で購入した薬には、偽造品がまぎれている事があるからです。
偽造品を服用すると、妊娠の可能性が高まるだけではありません。副作用が強く出てとてもつらい思いをされたり、水銀などの重金属が含まれていて重大な健康被害につながったりする可能性もあります。
医薬品を適正に使用したにもかかわらず、副作用で健康被害があった場合には「医薬品副作用被害救済制度」という制度を受けられます。けれど、偽造品を使用したことによる副作用の場合は、この救済は受けることができません。
自分の体を守るために始めたピルで、体を壊してしまっては意味がありません。
必ず病院で診察を受けて、処方してもらいましょう!
低用量ピルで、より快適な毎日を過ごしませんか?
今回は、低用量ピルについてお話しました。
「ピルって、こんな意外な効果があるんだ」と思われた方も多いでしょう。
毎日を健康で過ごすために、食事や運動が大切なのは言うまでもありません。そこに、低用量ピルをプラスすれば、女性特有の悩みを解決する手助けをしてくれるはずです。
体質だからとあきらめないで、あなたの大切な体ときちんと向き合って、ゆっくり考えてみてくださいね。そして、ピルが必要だなと思ったらぜひ病院に行って相談しましょう。
- 監修
- Juno beauty clinic 新宿院
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